2023/09/22

第5回理研鼎業イノベーションワークショップ

~自社内のイノベーション創出のためには何が必要か~

2023年7月21日、理化学研究所 東京連絡事務所にて「第5回 理研鼎業イノベーションワークショップ~自社内のイノベーション創出のためには何が必要か~」を開催しました。第4回に引き続きオフラインの対面形式で実施され、企業の垣根を超えた活発なアイデア交換の機会となりました。当日の様子をレポートします。

参加者自己紹介

初めに企業参加者、理研鼎業コーディネーターの自己紹介を行いました。

企業からの参加者全員が初参加だったこともあり、自社での業務内容や今回参加に至った経緯などについて各自1分程度共有し、チーム内外の参加者を知ることができる良い機会となりました。

オリエンテーション

オリエンテーションでは、後の議論においてアイデアが出やすくなるように「イノベーション創出におけるあるある」について具体的事例を用いて説明しました。その後ワークショップの進め方について説明があり、実際のワークがスタートとなりました。

ワークショップ

今回は3チームに分かれて実施しました。1チームの編成は企業参加者、理研鼎業コーディネーター、ファシリテーター併せて計5名となりました。今回から、参加者全員カジュアルな服装で参加いただいたこともあり、全体的にリラックスした雰囲気で会話が進んでいました。

ワークショップにはイノベーション創出セッション「いのべ場」を用いました。

まず、チームビルディングとして各チーム内で一人ずつ参加者それぞれの専門分野や得意領域などについて話をしました。その後、イノベーション創出において「現在取り組んでいること」「自社でどのような課題があるのか」などについて発表し、認識を共有しました。

次に個人ワークとして、テーマ分解を行いました。これはテーマである「イノベーション創出」から連想する単語をサブテーマとして挙げ、さらに、そのサブテーマごとに関連する単語を羅列する作業です。このテーマ分解によって、新しい視点を得ることができます。

その後、テーマ分解で得られた要素から新しいビジネスアイデアの検討を行いました。

ここまでを参加者それぞれの個人ワークとして行った後、チームでのアイデアディスカッションに移りました。

全体共有

【Aチーム】

チームでは、企業の課題を共有した上で、限られた人員で業務上の新たな課題をどう解決できるかという観点でアイデアが出されました。一つ目の解決法はやはり「コミュニケーション」です。営業担当と技術者、国籍による文化の違いなど、困りごとは人それぞれですが、レクリエーションやランチ会といった情報共有の場を通じて社内で仲間を作り、課題を投げ込みできる環境作りが必要との意見が出ました。また、課題解決にはアドバイスをくれたり、相談に乗ってくれたりする「お助け人材」の存在があることが話題となりました。そういった人材を適切に評価するにはどうしたらよいか、また、スキルアップの場をどう作るかという点でも多くのアイデアが出てきました。

【Bチーム】

Bチームでは、大きく「社内風土」と「社外連携」の2つの観点からアイデアが膨らんでいきました。共通した議論として「コミュニケーション」が挙げられ、イノベーション創出には新たな目線や意見を取り込むことが重要であり、社内外問わず良好なコミュニケーションが大事です。社内では上司や同僚、社外では異業種企業と交流したり、地方自治体と連携したりすることで、事業において新たなアイデアが生まれてくると考えました。新規事業開発室が既に発足し走り始めている企業と、ちょうど発足したての企業の参加者から、現時点の課題や上手くいっている点などを共有したうえで議論を進めることができたため、持ち帰ってすぐに実践できそうなアイデアを多く出すことができました。

【Cチーム】

Cチームでは、大きく「信頼獲得」と「情報収集」「新奇アイデア着想」の3つの観点からアイデアが膨らんでいきました。開発には失敗は当たり前なので、成功事例に加えて失敗事例も社内外と共有することで信頼を高めて有意義なコミュニケーションに繋がると考えました。情報収集のためには、製品の精工な模型で分かり易く実感していただくことや、中堅工場見学ツアー、コワーキングスペースでの地域連携などのアイデアが出ました。新奇アイデア着想では、子供や学生の意見も聞いてみる他、回転する製品の開発アイデアを集めるために「まわるもの展」の開催やSNSでの「#まわしてみた」の発信など真面目なアイデアに遊びを入れて新たな市場を見つけるなどの提案がありました。チームメンバーに県庁の方がいらしたので、行政の観点からのコメントもいただき話題が膨らみました。

感想・クロージング

最後に代表取締役社長の油谷よりクロージングの挨拶を行い、閉会となりました。

参加者からは、「社内でのディスカッションのみだったので、他業種の意見が聞けて参考になった」「イノベーション創出にあたり、進め方の手順が参考になり、今後の業務に役立ちそうだった」「いろんな視点からの意見を聞くことができた」といった感想が挙がりました。

本イベントが参加企業のイノベーション創出に役立つことを願っております。